新たな質問が二つありました。
1.施設で話し合った結果、
第一案の、横手すりをつけることになりました。
写真のAの蛇口(注:混合水栓、と呼びましょう)の何cm上につければ良いでしょう?
西村の回答
混合水栓の操作ができるだけ空ければ良いでしょう。
浴槽底からの高さは、
=浴槽深さ約45cm+浴槽縁からの高さ30cm
=約75cmとなります。
これは、小柄な対象者の歩行用手すりとして適した高さ。
75から90cmくらいの高さなら、ほとんどのかたの浴槽出入りに支障ないと思われます。
2.足がうまく上がらず浴槽をまたぐのが大変な利用者が入るための福祉用具があれば教えてください。
西村の回答
浴槽内に置く踏み台がありますが、介助者がしっかり脇から支えるくらいの介助が必要になるでしょう。不安定な動作ですから。
矢崎化工「浴槽内すのこ」
このレベルのかたには、「坐位からの浴槽またぎ」を勧めたいです。
いったん浴槽の縁またはイス(縁の高さに合わせた)に腰掛け、
↓
健側からまたぐ。
この方法のために、貴施設の浴槽は縁が広くなっています。
(そういう考えでこの浴槽を選んだはずですが)
この入浴法をとっている人はいますか?
↓
翌日届いた答え
坐位からの入浴について。
洗い場から浴槽の高さが40cm、浴槽深さが55cm。
15cmの差があります。
いったん座ると、足が浴槽底につかない。
縁に座ると、つかむにも手すりがなく、介助者につかまるしかない。
ということもあり、この方法で入る利用者はいない。
ただ、浴槽から出るときに浴槽縁に座る人はいる。
↓
再度の西村回答
浴槽縁に腰掛けて足が届かないのは、当然です(*_*)
膝下長と同じ浴槽の深さ(=約40cm)では、浅すぎるでしょう?
和式浴槽の深さは60cm。築30年くらいのお宅でよく使われていました。
いまでも「肩まで湯につかれる」と喜ぶかたもいます。
お湯につかる姿勢は、膝を抱えるようになり、
故に、立ち上がり動作は楽になります。
浴槽の長さが短いので、狭い浴室には納まりが良い。
「生活リハビリ」を提唱する三好春樹氏は、この和式浴槽を勧めています。
氏曰く、「足がきちんとブロックされるのでからだが浮かず、
マヒなどのため左右のバランスが良くない人でも、
幅が狭ければ横に倒れることもなく安定して入れる。
深い浴槽にたっぷりお湯を入れたほうが浮力を利用できるので、
少ない力で介助できる」
「足をらくらく伸ばしたい」という要望も多かったのでしょう。
いま日本で使われている浴槽のほとんどは、深さ55cm。
和洋折衷型と呼ばれます。
ホテルの浴槽で見られる洋式浴槽でも深さは約50cm。
寝そべるような姿勢となり、特に高齢者には危険です。
お尻からズルッと滑って溺れてしまいます。
お湯に肩までつかれないこともあり、日本人にはあまり好まれません。
つまり、深さ40cmの浴槽は実用的でなく、製品化もされていません。
まわりくどくなりましたが、
どんな浴槽でも、浴槽の縁に腰掛けたら、足底は浴槽底に届きません。
特注の浴槽なら別ですが、深さ40cmの浴槽に入りたいですか?
坐位から浴槽に入るときは、浴槽の縁か手すりにつかまりながら、
足を滑らせて入ります。
貴施設の浴槽にはこの方法で使うことを目的とした(と思われます)
手すりが付いています。
利用者が怖がるなら、脇から身体を支えるように介助してください。
浴槽底に滑り止めマットを敷くこともありますが、
ある程度滑ったほうが入りやすいはずです。
浴槽内イス(すのこ)を置くことも考えられます。
しかし、肩までお湯につからないデメリットあり。
あなたは就職して日も浅く、施設ができたときの経緯は知らないでしょうが、
そもそも、施設をつくるときに、
どんなふうに入浴することをイメージしたのでしょう?
設計の時点で議論があったはず。
写真を見る限り、「生活リハビリ」のコンセプトを、少なくとも参考にはしたはずです。
利用者の背面からの介助も配慮されていますね。
このレイアウトは右上下肢マヒを想定しているようです。
左右逆の浴槽もあるのでは?
先輩や上司のかたは知らないのですか?
三好春樹氏の著書は職場にありませんか?
「利用者がつかまる」前に、介助すべきではないのですか?
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